防災備蓄については、よく最低でも3日分と言われています。しかし、これはあくまでも最低限の備蓄です。3日間なんとか水分を確保し、食いつなぎながら避難所などで配給を受けつつ、復旧を待つことになります。首都圏が大災害にあえば、避難所には多くの人が身を寄せることになり、満足に配給が受けられない可能性もあります。
自宅が無事ならば、ライフラインが復旧し、物流が機能するようになるまでは出来る限り自宅避難でしのげるように準備をしておくのが理想的です。そこで、過去の大災害時(阪神淡路大震災と東日本大震災)と、東京都が提示するライフラインの復旧日数を見てみましょう。
以下は近年発生した二つの大地震のあとに、9割のライフラインが復旧するまでにかかった日数です。発生地域や地震の規模によって復旧のスピードが変わると思われますが、ライフライン復旧までの日数として目安になります。
目次
阪神淡路大震災
電気:2日、水道:37日、ガス:61日
東日本大震災
電気:6日、水道:24日、ガス:34日
電気が一番早く数日で復旧、次いで水道、最後にガスが復旧するという順番になっています。
続いて、東京都が提示するライフラインの復旧日数を見てみましょう。
ライフライン復旧日数:東京都
電気:6日、水道:30日、ガス:55日
この日数より早く復旧するところもあると思いますが、6日経っても復旧しない可能性も十分にあります。この復旧日数を参考にしつつ、余裕をもって準備をしておくことをお勧めします。出来れば7日~10日分程度の備蓄品を用意し、避難所などには頼らず自活できるように準備をしておくのが理想的です。
電気が最短で6日。1週間程度で復旧しますが、普段電力の恩恵にどっぷりな現代人にとって、1週間程電力の供給が途絶える状況というのは大変なものです。電池の備蓄やモバイルバッテリーの用意はもとより、車があればシガーソケットから電気をとるためのグッズなども用意しておきましょう。
水道は復旧までにおよそ1ヶ月程度かかります。7日~10日分でも心許ないですね。もう少し余裕をもって2週間分以上用意しましょう。2週間以上となると、結構な量になります。一度にまとめて2週間分購入するようなことはせず、少しずつ買いましていきましょう。水も賞味期限がありますので、賞味期限が近いものから順に少しずつ消費しながら買い増していけば、賞味期限切れで無駄にすることもありません。
ガスに至っては復旧にかなりの日数を要します。2ヶ月程度復旧しないと考えると、寒い冬場などは厳しいですね。カセットコンロやガスボンベを余裕をもって用意しておきたいところですが、普段あまりカセットコンロを使用しないご家庭だと、少しずつローテーションしながら消費するのも大変になります。電気の復旧が早いので、調理器具は電化製品で賄えるようにしておけば、ガスへの依存度が下がります。
いかがでしょうか。ライフラインの復旧日数という視点から考えると、各ご家庭で用意すべき備蓄品や、その量が徐々に明確になってくるのではないでしょうか。まず3日分では足りないという認識を持ち、1週間程度の備蓄が最低限必要!と意識を高めながら、準備を進めていきましょう。